平成 8年 3月第 1回定例会−03月07日-04号平成 8年 3月第 1回定例会
三月七日(木曜日)
午前十時十二分開議
出席議員(四十六名)
一 番 下 沢 佳 充
二 番 藤 井 義 弘
三 番 杉 本 栄 蔵
四 番 木 本 利 夫
五 番 紐 野 義 昭
六 番 石 坂 修 一
七 番 北 野 進
八 番 八 十 出 泰 成
九 番 北 村 繁 盛
十 番 山 田 憲 昭
十一 番 山 田 省 悟
十二 番 小 倉 宏 眷
十三 番 米 田 義 三
十四 番 石 田 忠 夫
十五 番 吉 田 歳 嗣
十六 番 向 出 勉
十七 番 吉 崎 吉 規
十八 番 稲 本 孝 志
十九 番 宮 下 登 詩 子
二十 番 岡 部 雅 夫
二十一番 石 林 爾 郎
二十二番 和 田 内 幸 三
二十三番 庄 源 一
二十四番 善 田 晋 作
二十五番 上 田 幸 雄
二十六番 稲 村 建 男
二十七番 長 憲 二
二十八番 角 光 雄
二十九番 一 川 保 夫
三十 番 宇 野 邦 夫
三十一番 桑 原 豊
三十二番 櫻 井 廣 明
三十三番 菊 知 龍 雄
三十四番 長 井 賢 誓
三十五番 川 上 賢 二
三十六番 北 村 茂 男
三十七番 大 幸 甚
三十八番 福 村 章
三十九番 中 川 石 雄
四十 番 宮 下 正 一
四十一番 米 沢 外 秋
四十二番 米 沢 利 久
四十三番 金 原 博
四十四番 池 田 健
四十五番 宮 地 義 雄
四十六番 矢 田 富 郎
欠席議員(一名)
四十七番 河 口 健 吾
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△開議
○副議長(上田幸雄君) おはようございます。
これより本日の会議を開きます。
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△会議時間延長
○副議長(上田幸雄君) 本日の会議時間は、あらかじめこれを延長しておきます。
─────・──・─────
△質疑・質問(続)
○副議長(上田幸雄君) 日程に入り、質疑及び質問を続行いたします。
紐野義昭君。
〔紐野義昭君登壇、拍手〕
◆(紐野義昭君) 昨年の一月の阪神・淡路の大震災と、前代未聞ともいうべきオウムの凶悪犯罪という不幸かつ重苦しい感じが強かった一年が過ぎ去り、ことしこそ人々が平安で暮らせる幸多き年でありますようにと心から祈らずにはおられない新春でありました。機会を得ましたので、以下数点について質問をいたします。
地方行政が目指す視点は、この地をふるさととする人々が住みよい地であると実感し、外からは住んでみたいという思いを抱かせる、そんな
地域づくりをいかに進めるかに尽きると考えられます。地方行政の姿勢には、個性を競い合い、地域特性を生かした施策が求められるわけでありますが、石川の地域の特性とは一体何かと考えてみると、私たちが誇れるのは、それは分厚い文化土壌であります。加賀藩政期以来、まさにこの地に培われてきた文化、歴史こそがこれからの石川における
行政施策推進のキーワードになるのではないでしょうか。
今、石川県では、二十一世紀へ向けた新ビジョンの策定を進めているところでありますが、今後、県政を展望する上で、地域連携をどう位置づけるかということも重要な課題であります。もちろん我々の郷土である石川県も国を形成する地域社会の一つであり、よりよい意味で地域間競争はあっても、周辺地域と摩擦を起こすような行き方は許されないのであり、むしろ国全体の中で石川がどう位置づけられるのかを検証しながら、広域の交流圏の一員として、地域の発展、振興に連携を図っていく考えを持つことが必要であります。石川の歴史、風土、これまでの経済的な結びつきを考えれば、一番最初に思いつくのは、それは北陸圏あるいは北信越の連携であり、国土全体を眺めた中では
日本海国土軸の流れに沿った発想だと思います。
石川県は現在、中部九県一市で構成する
中部圏知事会議の一員でありますが、北陸と東海は気候も風土も歴史的な背景も大きく違うのは御承知のとおりであります。昨年、金沢市で開かれた
中部圏知事会議で、
次期全国総合開発計画に向けた地域連携軸のあり方が論議をされましたが、その中で東海が依然として
太平洋ベルト地帯の優先意識を前面に出せば、北陸は日本海時代の到来を主張、内陸部は国土横断軸を中心に据えるなど、まとまりのなさが吹き出たようであります。中部地方というのは、結局のところ異質地域の集まりでしかないということではないでしょうか。
いま一つ、新しい
選挙制度改革で北信越を一ブロックとする
衆議院選挙比例代表でも十三人もの代議士が誕生することになりますが、ブロックの代議士として働いてもらわねばならない局面も出てくると予想されます。現在の選挙制度がいつまで続くかわかりませんが、自治体行政もこれに合わせた圏域づくりと、より効果的な連携地域の選択への発想の切りかえが欠かせないのではないかと思いますが、御意見を伺いたいと思います。
昨年十二月、国土審議会の計画部会がまとめた次期全総の基本的な考え方の中で、
日本海国土軸が西日本、北東、太平洋新国土軸とともに二十一世紀の国土の
グランドデザインを描く指針に位置づけられたようであります。次期全総の
基本的考え方にうたわれた生活の豊かさと自然環境の豊かさが両立する世界に開かれた
国土づくりは、そのまま国土を地域に置きかえれば、地方行政が目指すべき
地域づくりの指針と言える内容であります。地方にとっては今さらながらの基本理念であり、むしろ国がようやく住みやすい
国土づくりとは何であるかの原点に立ち戻ったと言えなくもないと思うのであります。これまで太平洋側に偏ってきた交通、通信網などの拡充は、今後は地方で優先的に行われるためにも、太平洋側に一くくりされている中部圏にとらわれるのではなく、日本海軸の中央に位置する北陸圏であるという認識を基本に地域戦略を練り上げる視点が大切であると考えるものであります。
先般の代表質問に対しての答弁の中で、知事は全総に対して「一定の評価をしながらも不足の部分もある。よって北陸圏の明確化を今後求めていく」とのことでありました。既に次期全総
北陸計画策定委員会も発足しているようでありますが、
次期全国総合開発計画の中に北陸圏の明確化を求めることは当然であります。国の動きを待つだけではなく、石川県の方から動きを起こし、地方分権の先取りとして具体的に北陸圏、北信越圏、また例えば岐阜県など他の一つの県などとともに
枠組みづくりを行うために、まずトップからの知事会議を、そして行政レベルでの交流、さらには北経連などを利用した形での行動を起こし、結果として国にも追随させるぐらいの気構えを持つべきだと考えますが、御所見を承り、この質問を終わります。
国では予算が抑えられる時代に最もその割を食うのは、大変残念でありますが文部省関連であると、先般ある
私学関係者や国際交流に携わる方々が嘆いておられたのを聞きました。本県では、知事のこの方面への積極的姿勢が従来より示されているので多少は安心をしているところでありますが、以下、
私立学校教育の振興について数点お尋ねをいたしたいと思います。
御承知のとおり、日本の学校教育は
国公立学校、私立学校の両輪によって支えられ、発展をしてまいりました。そして、二十一世紀の新時代を担う子供たちが心身ともに健やかに成長するために、関係者は引き続き努力を積み重ねていく必要があるかと思います。希望するすべての子供たちに高等教育を保証し、さらなる行き届いた教育の実現が今望まれており、明治以来、教育を受けたいという人々の希望に対応するべく、私立学校がその大きな役割を担ってきたのであります。私立学校には、公立学校にはない独自の建学の精神があり、個性豊かで多様な教育の実践という前提のもとに今日まで多くの有為な人材をこの世の中に送ってきたのは御承知のとおりであります。ちなみに、本議場の中にも私学出身の方々が数多くいらっしゃるわけであります。
既に昨年十二月の定例県議会でも私学助成の大幅増額と
急減期特別助成の実現を求める請願も全会一致で採択されているところでありますが、県におきましても今日まで私学の振興と発展のために尽力をされてきたことに対し、心から敬意を表するものであります。
そこで、まず最初に、知事はこの私学教育の意義についてどのような所見を持っておられるのかお尋ねをいたします。また、所管は違いますけれども、教育という観点から教育長に同様にお聞きをいたしたいと思います。
次に、本県におきまして私学というと私立幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、専修学校などが存在するわけであり、全体を合わせますと、現在約五万二千人が学び、毎年多くの卒業生を送り出しております。県におきましては、これら私学についてどのような振興策をとっておられるのか、以下三点についてお尋ねをいたします。
まず、平成八年度の国家予算では私学関係の
経常費補助金はどのような伸びになっているのか、その特色についてもお尋ねをいたします。
また、今回提案の当初予算の中の
私学関係予算でありますが、
経常費補助金はどのような伸びとなっているのでしょうか。特に、この
経常費補助金は補助単価が重要なものとして受けとめられているようでありますが、全国的に見てのその位置づけをお尋ねいたします。
現在、高等学校は生徒減少期の真っただ中にあり、公立、私立ともに、その対応に苦慮していると聞いております。そんな中で私立高校は学校経営の安定に懸命の努力をされていると聞いております。県としても、そうした努力にこたえるためにも助成制度のさらなる充実を図る必要があるのではないでしょうか。具体的にいうと、現行助成等のほかに、例えば生徒急減期に対応した特別の助成制度を設けることが求められていると思いますが、いかがでしょうか。学校教育の安定と保護者負担の軽減、ひいては個性豊かで特色ある教育の充実など、私学の一層の振興を図る意味から十分に配慮していただきたいと思うのであります。
次に、
私立専修学校の振興対策についてお尋ねをいたします。
専修学校につきましては、
学校教育法の改正に伴い、制度が設立されて以来二十周年を迎えたところであります。この間、我が国の社会構造は情報化、国際化、高齢化、さらに国民の価値観の多様化が急激に進展したことは御承知のとおりであります。そのような状況の中で、本県の専修学校は長きにわたり
技術技能教育、産業教育、医療や福祉、
芸術文化教育を実践し、数多くの卒業生を社会に輩出をし、地域の経済、文化振興、発展に大きく貢献してきたことは申すまでもありません。また、国民の教育に対する価値観の変革に伴い、高等学校での卒業生の四割強の子供たちが
高等教育機関に進学しているのが今日の現状であります。進学先については、大学、短大、専修学校などがあるわけでありますが、とりわけ専修学校への進学は近年大きく伸びてきている状況にあります。
全国的に見ますと、
高等教育機関在籍学生数のうち約二一%、八十一万人強が専修学校に、また、そのうち約九〇%、七十六万人弱が
私立専修学校に在籍しているところであります。ちなみに、この数字は短期大学の学生数を大きく上回る数字であります。
石川県内に目を向けますと、
高等教育機関在学生四万人余りのうち約五千人、一三%に当たる子供たちが
私立専修学校で学んでおり、年々その重要性を高めているところであります。専修学校が飛躍的に伸長していることについては種々の要因があるわけでありますが、とりわけ大学校等には見られない弾力性、ひいては社会に出てすぐ役に立つ職業教育や専門教育が社会に認知され、定着してきたものと考えられるところであります。
例えば、お聞きをいたしますが、知事は日常生活の中で床屋さんへ行かないのですか。これは
理美容専門学校であります。病気や歯の治療のとき、看護婦さんや理学療法士、作業療法士、
臨床検査技師、
歯科技工士等の皆さんのお世話になることがありませんか。これは
看護専門学校、
医療技術専門学校であります。足腰が痛むとき、はり、きゅう、あんま、柔道整復の専門家のお世話になりませんか。これは
柔整専門学校。温泉、料亭や
レストラン等でおいしい料理を食べることはありませんか。これは料理学校、
調理師専門学校。いずれ高齢者になり、もし
老人性痴呆症ともなると、老人ホームの
介護福祉士、
社会福祉士に介護や介助をしてもらわなければならないでしょう。また、御承知のとおり今国が掲げる
障害者プラン、ノーマライゼーション七カ年戦略があり、障害者、障害児の入所施設等のケアサービスマンは、やはり
介護福祉士や
社会福祉士が不可欠の存在であります。これは
福祉専門学校。人間の幸せは何より健康であると言われます。また、生涯学習やスポーツも大変盛んであります。これはスポーツ系の
総合科学専門学校。大きな企業や事業所のトップマンは、必ず秘書がその取り次ぎをいたします。また、病院等では医療秘書も活躍いたしております。これは
ビジネス系専門学校。石川県の財政はもとより、金銭等に関する出納簿の見方、記帳の仕方で経理や簿記のお世話になりませんか。これは
経理専門学校であります。県庁職員は今、金曜日が
カジュアルデーとなりました。知事、いかがですか。奥さんからおしゃれ着のことで相談を受けることがございませんか。また、寒いときにセーターもよし、また冠婚葬祭のときの
日本的伝統文化として着物姿も風流で大変結構ではないでしょうか。これは
ファッション系服装専門学校、編み物や
和装専門学校。今、
コンピュータにかわる情報分析の方法は皆無に等しいでしょう。とりわけ昨今の生活環境においてインターネットの導入は不可欠となってまいりました。これは
コンピュータ、
情報ビジネス系専門学校。旅行や出張に出るとき、ツアーコンダクター、会議や宿泊時のホテルマン、そんな
スペシャリストにお世話になっていませんか。これも
ビジネス系専門学校。自動車運転免許取得しかり、車検や整備や修理でお世話になっているのではないでしょうか。これは
自動車学校や
自動車整備専門学校。家、建物の設計士や
土木建築施工技師、また
道路基礎工事の測量技師等、さまざまな技術者にお世話になります。これは
建築系専門学校。美術、
デザイン等、自然環境の空間や建造物はもとより、日常の生活空間にはアート面を満足させてくれるさまざまなデザインが求められています。デザイナーの職業は社会の最先端をいく専門職であり、今後もその存在はますます高まりつつあるようであります。これも
デザイン系専門学校。
以上、いろいろ申し上げましたが、これ以外に多種多様な分野の専修学校がありますが、改めて我々の生活にいろいろな形でかかわる人材を育成しているのが専修学校であることがおわかりになったかと思います。
このように専修学校は
高等教育機関として機能と県民生活に不可欠な産業への人材育成という機能を有しているわけでありますが、経営面に限っては必ずしも順風満帆ではなく、むしろ常に緊迫した経営の中で教育が行われている実態を見逃すにはまいらないのであります。この際、県といたしましても長期的展望に立った施策として基盤整備と健全経営のための財政的支援を行うことが必要でないかと思うのであります。
そこで、
私立専修学校の経営の健全化または
教育研究条件の維持向上、さらに学生の就学上の経済的負担の軽減を図るため、
経常費補助金の大幅拡充について、また最近の就職状況は
専修学校卒業生についても極めて厳しい状況にありますことから、各専修学校で組織する
専修学校教育振興会では、その打開策として企業等との連絡協議会を設置するなどの将来を展望した形での振興事業を展開することとしているようでありますが、これらの事業の支援を含めて、
専修学校振興のための助成施策の見通しについて明らかにしていただきたいと思うのであります。
また、文部省では平成六年度に
専修学校卒業生に対し専門士という称号付与の制度を創設したと聞いておりますが、この専門士とはいかなるものであり、その制度創設によりどのような成果が期待されるとお考えでしょうか、お尋ねをいたします。
専修学校の
教職員等関係者が長年にわたり地元と密着し、日夜地道に技能教育に打ち込んできたその姿は、まさに地域経済における産業の発展や文化の向上、県民、市民の生活面におきましても大きな支えとなってきたものであり、よって今後、本県における
若年スペシャリストの確保のため、ぜひ財政的支援も含め
私立専修学校の振興に力を尽くされるよう重ねて切望し、この質問を終わります。
次に、
国際交流活動についてであります。
私が会長をさせていただいている東京に本部を持つ
財団法人世界青少年交流協会の地方組織、石川県
世界青年友の会は、現在、石川県
海外交流機構の一員として活動に参画をさせていただいております。県議会では私と杉本議員がその役員を仰せつかっておりますが、石川県
海外交流機構は、一九八五年の国際青年年を機に本県において開催をされました
石川国際青年の国に参加をした
海外交流団体約三十団体によって構成をされた組織であります。当時は官による連絡協調を図ることができるところもなく、このようにすべて民間にゆだねられていたのであります。しかし、平成四年には知事が理事長となり、
財団法人石川県
国際交流協会が設立をされ、県民の
草の根交流を進めていた各団体は大きな喜びを感じたものでありました。しかしながら事務所はいささか手狭であり、事業予算も十分なものとは言えなかったと思います。そんな意味で、今私ども関係の
草の根交流を進める
国際交流団体は、ことしの秋、武蔵第五工区再開発ビルのリファーレ内にオープンを予定をしている仮称
県国際交流センターの開設に大きな期待を持っているところであります。
新年度予算を見ますと、
国際交流センター整備費、
留学生交流会館整備費等、大型の事業が続く中で、
草の根国際協力等活動助成事業費は二百万円と、
草の根国際交流を支援をし、その機運を盛り上げようとするにはいささか物足りないような気もするのであります。新しい
県国際交流センターのオープンを機にますます盛り上がるであろうこの国際交流に対して、県民の期待にどのようにこたえていくのか。県当局のこれまでの積極的な国際交流への取り組みは高く評価をされるべきとは思いますが、特に知事は昨年を
国際交流元年と位置づけ、また本年は国際交流に国際協力や国際貢献を追加をした事業に取り組むやに聞いておりますので、関係者の期待にどうこたえていくのか、今後の見通しについて伺いたいと思います。
質問の最後は、信用組合についてであります。
国会では、住専──
住宅金融専門会社への税金投入の是非について盛んに議論が行われているところでありますが、この問題の後に続くのは中央ではノンバンク、ゼネコン、そして地方では信用組合の経営実態が大きな話題となってくると言われております。御承知のとおり、信用組合については昨年、東京協和、安全の二つの乱脈融資問題が大きく取り上げられ、さまざまな指摘があったわけでありますが、信用組合という金融機関は、都銀や地銀及び信用金庫のように国すなわち大蔵省の所管ではなくて、都道府県が行政として直接監督責任を負っているのであります。転ばぬ先のつえという言葉もありますので、昨年幾つか質問もいたしましたけれども、再びこの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
昨年の当初定例議会においての私の「信用組合のバブル時の不動産融資に絡む不良債権について、県内の市中銀行等にもとかく風聞もあるやに聞く。人材の問題及び一部首脳の独断専行等による乱脈融資による
不良債権発生の心配は本当にないのか。東京での信用組合の事件は東京都の指導、監督の不備と不十分さに起因をしてきたという共通の認識もありますので、事と次第によっては直接石川県民の懐にかかわりかねない問題だけに、県においては信用組合の実態状況を把握しておられるのか、各信用組合の経営状況を明確にされたい」との質問に対しまして、谷本知事は、「預金残高あるいは貸出金の残高の規模は小さく、それぞれ健全な運営を維持しているようである。信用組合の健全性を維持するために、また預金者の保護という見地も含め、県としても適切な検査、指導にさらに努力をしたい」とおっしゃられました。また、当時の
寺西商工労働部長は、「経常利益も順調に推移をしている。全体としては経営の健全性を損なうおそれはない。貴重な預金を預かっているので、経営者の自覚ということが一番大事だ」との答弁があったわけであります。
そこでお尋ねをいたしますが、まず第一に、現在、石川県内の信用組合はどのような種類の組合、例えば営業業態別の区別も含め、あるのか、お伺いをいたしたいと思います。
先ほども申し上げましたが、信用組合は県が直接監督責任を負っているということだけではなく、その規模が極めて小さい組織であり、本当の意味におけるローカルな金融機関なるがための問題点、すなわち人材の
交流不足等による役職員の資質の低さからくる資金運用のまずさや、
不良債権処理能力の弱さからくる経営体質の悪化等々の原因により、地方レベルにおいて信用不安につながる信用組合の名前が取りざたされる事態が予想されるのであります。
昨年の県当局の答弁では平成五年度決算内容に基づき信用組合の経営状況についての判断を示されたわけでありますが、それでは、その後の判断はどうなっているのでしょうか。状況に変化はないのかどうかお伺いをいたしたいと思います。
また、この際、石川県内の全信用組合に対し、現時点でのすべての不良債権について細部にわたっての報告を求めるべきではないでしょうか。
信用不安を払拭するためにも、信用組合の経営実態については、そのディスクロージャーをもっともっと推進すべきではないかと考えます。新聞報道によると、ある信用組合が近いうちに不良債権を組合員に開示するという方針を決めたという記事が載っておりましたが、大蔵大臣の諮問機関である金融制度調査会では、信用組合については九八年三月期までに全面開示するよう求めているようであります。全信用組合の早期開示を求めることはできないでしょうか。
また、仮に多くの不良債権を抱え、通常の経営利益で処理しかねる状態となり、不幸にも不測の事態に陥った場合、県当局は具体的にどのような対応を迫られるのか、お答えを願いたいと思います。
いずれにしましても、これらの金融機関の厳しい経営環境の中で、経営基盤の小さい信用組合については、合併の促進等を含めて経営の効率化と健全化のためにいち早く県が今こそ取り組むべきではなかろうかと考えますが、知事の御見解を求めたいと思います。
以上、いろいろお尋ねをいたしましたが、厳しい経営状況の中での金融の自由化の進展により、今後、金融機関間のさらなる競争激化が予想されるなど、信用組合を取り巻く環境は一層激しくなることが予想をされるわけであります。例え全国的に見ると本県の信用組合の規模は非常に小さくとも、県内の多くの弱い立場の中小企業家あるいは勤労者が預金者として存在することは事実であります。信用組合の健全性を維持をし、確保するためにも県による適切なる指導をこの際強く要望して、私のすべての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(上田幸雄君) 谷本知事。
〔知事(谷本正憲君)登壇〕
◎知事(谷本正憲君) 紐野議員の一般質問にお答えをいたしたいと思います。
まず第一点は、北陸圏についての御質問でございますけれども、おかげさまで昨年の十二月に国の方で次期全総計画の基本的な考え方というものが示されたわけでございますが、その中で
日本海国土軸構想ですとか地域連携軸構想、あるいは広域交流圏構想といったものが盛り込まれた、私どもが要望しておりましたものが、おぼろげながらではありますけれども幾つか盛り込まれたというふうに私どもは理解をしているわけでございます。平成九年の春には新しい計画が策定をされるというスケジュールのようでございます。
紐野議員御指摘のように、北陸圏はもともと自然的にも経済的にも、あるいは文化的な条件、あるいは地理的条件においても共通の基盤を有しておる地域ということでございます。そういう意味では一体的な発展が必要でありますし、ある意味では不可欠であろうというふうにも理解をいたしておるわけであります。そういう意味で、昨年の十月にも国土庁の方にはいろいろ提言も申し上げたわけでございますが、これからも、ぜひ新しい全総計画の中での北陸圏の位置づけが明確になるように、三県の行政サイドだけではなくて、北経連あるいは商工会議所等々、経済界の皆さん方とも足並みをそろえながら北陸圏の明確化ということについて、さらに強く働きかけをしてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
そして、これからは新しい選挙制度のもとで、紐野議員お話がありましたように、北信越ブロックというのが形成をされるわけであります。新潟、長野というのが新たに入ってくると。その地域からも比例代表という形で国会議員の方々が選出をされる、こういうことでございます。
これまで北陸新幹線ですとか北陸自動車道、そういったハードのいうなれば軸というんでしょうか、そういったものの整備については、それぞれの県とも連携をとってまいったわけでありますけれども、新たに選挙制度がそういった形で変わるという政治的な意味でも一つの大きな節目を迎えるということでございますし、
日本海国土軸ですとか、あるいは中部縦貫連携軸というんでしょうか、福井、石川から小松白川道路へ向けて、それから岐阜を通って長野を抜けて山梨を抜けて東京へ行く。こういった一つの連携軸というものを考えると、そういった地域との連携の重要性というものはさらに高まってくるのではないのかなと、かようにも思っているわけでございます。
北陸三県は、従来から北経連の皆さん方と三県知事との懇談会というのをやっております。岐阜県の知事さんとも、これまで二回協議、懇談もさせていただきました。そういう取り組みもこれから一つ一つ積み重ねをしてまいりたいと、かように考えているところであります。
次に、私学の振興についての御質問がございました。
石川県における私学の歴史は大変古うございます。百十年の歴史が既にあるということで、ある意味では石川県の教育の一端を十分に担っていただいているということでありますし、かつては生徒が大変急増したという時期には、その受入体制について大変な御協力もいただいたということであります。そういう意味では、本県の教育の発展に大変大きな貢献もしていただいていると、こういうことでございます。
最近は、紐野議員御指摘のように国際化ですとか高齢化ですとか少子化ですとか、あるいは成熟社会ということで、取り巻く状況は大変大きく変わってきておるわけであります。そういう中で私学というのも、そういったニーズにどういうふうにこたえていくかという、そういった要請を受けておるわけでありますけれども、ぜひ私学は、もともとそれぞれ建学の精神というのがあるわけでありますから、そしてそれぞれの私学ごとに個性豊かで、あるいは人間性豊かな人材を育てると、こういった私学の使命というものがあるわけでありますから、初心忘るべからずといいますか、そういった私学の基本理念をしっかり踏まえていただいて、本県の教育の発展にさらにぜひ貢献をしていただきたいなと、こういう思いがいたしておるわけであります。
専修学校についての御質問もございました。専修学校は、いい意味でそれぞれの企業といいますか、いろんな産業分野のニーズにこたえて人材を育成、供給、ある意味ではそれぞれの道での
スペシャリストを養成をしていくと。いい意味での産と学との連携といいましょうか、そういった橋渡し役を果たしていただいておるということではなかろうかなというふうに思うわけであります。私どもも、従来から国に先駆けていろんな御支援もさせていただいておるところでございますけれども、ひとつ教育機関ということになりますと今の小、中、高等学校、あるいは私学という教育機関と比べて少し位置づけもまだ違うようでありますけれども、教育機関として、この専修学校の特質、そういったものを最大限に発揮をするという努力をさらに積み重ねていただきたいなと。そして、せっかくそういう
スペシャリストを養成するわけでありますから、そういった方々がいい職場へ就職をできる、そういった環境づくりというんでしょうか、そういったことにもぜひ専修学校、ひとつ連携をして、挙げて取り組んでいただければありがたいなと、かようにも思っているところであります。
この専修学校の中で紐野議員がお話ありましたように、専門士という資格を与えるという制度が発足をしたようでございます。平成七年三月の卒業生からその資格を与えると。おかげさまで石川県内にも三十五の専修学校があるというふうに聞いておりますが、そのうち二十五校が既にこの文部大臣の認定を受けて、既に千八百人弱の卒業生の方がこの専門士の称号を受けておられるということであります。この専門士というのは、ある意味では資格を公に担保するといいますか、そういう意味合いもあるんだろうと思いますし、称号を受けた皆さん方にとっても、ある意味では大きな励みになるんだろうというふうに思います。こういった専門士の皆さん方が、単に専門士という肩書だけではなくて、これからいろんな分野にどんどん進出をしていただいて、それぞれの分野で高い評価を受けていただく、そうした内容面の取り組みというのも大変大事ではないかというふうに思うわけでありまして、そういう面でも大変期待もいたしておるところでございます。
次に、国際交流についての御質問がございました。
この平成八年度、おかげさまでこの国際交流の機関につきましても
国際交流協会に統合すると。そして、この秋には完成いたします
国際交流センターに入居をするということで、体制としては大変強化がされるというふうに私は認識をいたしておるわけでありますが、これと同時に大事なのは、国際協力のボランティアというんでしょうか、草の根の国際協力活動を展開しておられる皆さん方に対する御支援というのも大変大事なのではないのかなと。今回、額はわずかと言えばわずかでございますけれども、予算を計上させていただいた。これは県としては、そういったボランティア活動をされる皆さん方に少しでも御支援ができればということでありまして、これは何といいましょうか、言い方は少し悪うございますが、行政の下請機関みたいなことにこれがなってしまいますと、またボランティア活動、その活力みたいなものがなくなっていくんではないのかなと。草の根国際協力団体ということであれば、やはりボランティア活動をやろうという意欲を損なうことがないような、そういった自主的、主体的な活動を側面からお手伝いをすると、そういった取り組みにやはり行政は徹していくべきではなかろうかなと、かようにも思っておるわけであります。
まず、中小企業設備近代化資金等の収入未済額の債権確保と回収についてでありますが、事業不振や経営努力により再建可能な企業あるいは組合については、経営診断や事業指導等を行い、償還財源の確保と分割償還により回収を図っており、また廃業、倒産に至った企業や組合については、担保処分、連帯保証人への追求により回収を図っておるところであります。今後とも引き続き債権の回収に鋭意努めていきたいと思っております。
また、新規貸付に際しましては、厳正な審査を行ってまいりたいと考えております。
次に、設備近代化資金の不用額についてのお尋ねでありますが、これにつきましては、長期にわたる景気低迷に伴う設備投資意欲の減退によりまして、機械、建設を初めとして全般的に利用額が減少しております。こうした状況の中で、六年度以降貸付金の募集回数をふやしてきましたが、今後さらに本制度のPRに努めていきたいと思っております。なお、今後景気の回復とともに本資金の利用もふえるものと期待をいたしております。
それから三点目の、制度金融の見直しについてでございます。従来から利用者の皆様方の要望も取り入れながら内容の充実に努めてきたところであり、多くの中小企業者に利用されておりますが、一方で御指摘のとおり制度発足以来四十年を経過し、制度の種類が多くなり、複雑化していることも事実でございます。このため、今回の制度全般について見直すこととし、十四制度を九制度に整理統合し簡略化するほか、融資期間及び据え置き期間についても延長するなど、利用者の立場に立った使いやすいわかりやすい制度に再構築を図っております。特に厳しい経営環境にある小規模事業所の小口融資についても大幅な拡充を図ることにいたしております。今後とも景気動向や中小企業者のニーズを踏まえ、柔軟かつ機動的に対応してまいりたいと考えております。
最後に、制度金融の償還猶予についてでございます。昨年、緊急経済対策として実施をいたしました償還猶予制度については、約四十件の利用があり、償還負担に苦しんでいる企業、特に小規模事業所の経営安定に役立ったものと考えております。
以上でございます。
○副議長(上田幸雄君) 西村農林水産部長。
〔農林水産部長(西村徹君)登壇〕
◎農林水産部長(西村徹君) 農林業問題につきまして三点お答えをさせていただきます。
まず、行財政改革におきます農林総合事務所の組織、人員配置についてでございますが、農林総合事務所の設置に当たりましては、地元と密着した住民サービス、利便の向上を図るために総合窓口を新設することといたしております。
また、庶務部門の一元化を図る一方、これによりまして捻出されます人員を農道や圃場整備を推進するための用地部門に四名程度振り向けるとともに、企画調整部門や事業量の増大等に対応するために技術職員を十名程度充実を図っていきたいと、このように考えております。
次に、権限の強化についてでございますが、多様な県民ニーズに適切に対応していくためには、農林総合事務所の設置にあわせまして出先機関の権限の拡大強化を図ることが必要であると考えております。具体的な項目につきましては、現在事務的に詰めているところでございますけれども、例えば工事請負契約の専決の拡大、補助金交付事務の実施、制度金融資金の利用指導、このようなことを考えておりまして、今後とも県民サービスの向上に努めまして、順次権限の移譲を図ってまいりたいと、このように考えております。
次に、新規就農希望者の就農支援資金等の活用実績と他産業からの新規就農希望者に対する支援策につきましてお答えをいたします。新規就農希望者に対します就農支援資金等の七年度の貸付実績につきましては、技術習得や就農準備のための就農支援資金が六件で五百七十万円、営農開始に必要な機械施設整備のための農業改良資金等が六件で四千三百万円となっております。
また、他産業からの新規就農希望者に対しましては、栽培、経営技術を習得させるために、県の河北潟営農センターや農業試験場等におきましての基礎研修、それに先進農家での実践研修を行うための受入先の紹介あっせん等を行っているところでありまして、さらに平成八年度からは新たに農業改良普及センターにおきまして、就農に必要な技術、経営に関する基礎知識、先進農家の視察や青壮年グループ中核農家等の交流会、さらには就農支援資金等の活用方法等の研修を総合的に行うことといたしております。いずれにいたしましても、今後とも市町村、農業関係団体と連携をとりながら、就農相談、研修の充実、制度資金のPR等を行いまして、他産業等からの新規就農者を積極的に支援してまいりたいと、このように考えております。
以上でございます。
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△休憩
○副議長(上田幸雄君) 暫時休憩いたします。
午前十一時五十五分休憩
─────・──・─────
午後一時七分再開
出席議員(四十六名)
一 番 下 沢 佳 充
二 番 藤 井 義 弘
三 番 杉 本 栄 蔵
四 番 木 本 利 夫
五 番 紐 野 義 昭
六 番 石 坂 修 一
七 番 北 野 進
八 番 八 十 出 泰 成
九 番 北 村 繁 盛
十 番 山 田 憲 昭
十一 番 山 田 省 悟
十二 番 小 倉 宏 眷
十三 番 米 田 義 三
十四 番 石 田 忠 夫
十五 番 吉 田 歳 嗣
十六 番 向 出 勉
十七 番 吉 崎 吉 規
十八 番 稲 本 孝 志
十九 番 宮 下 登 詩 子
二十 番 岡 部 雅 夫
二十一番 石 林 爾 郎
二十二番 和 田 内 幸 三
二十三番 庄 源 一
二十四番 善 田 晋 作
二十五番 上 田 幸 雄
二十六番 稲 村 建 男
二十七番 長 憲 二
二十八番 角 光 雄
二十九番 一 川 保 夫
三十 番 宇 野 邦 夫
三十一番 桑 原 豊
三十二番 櫻 井 廣 明
三十三番 菊 知 龍 雄
三十四番 長 井 賢 誓
三十五番 川 上 賢 二
三十六番 北 村 茂 男
三十七番 大 幸 甚
三十八番 福 村 章
三十九番 中 川 石 雄
四十 番 宮 下 正 一
四十一番 米 沢 外 秋
四十二番 米 沢 利 久
四十三番 金 原 博
四十四番 池 田 健
四十六番 矢 田 富 郎
四十七番 河 口 健 吾
欠席議員(一名)
四十五番 宮 地 義 雄
──────────────
△再開
○議長(河口健吾君) これより会議を開きます。
─────・──・─────
△質疑・質問(続)
○議長(河口健吾君) 休憩前の議事を続けます。稲本孝志君。
〔稲本孝志君登壇、拍手〕
◆(稲本孝志君) 時間も限られておりますので通告しています点につきまして順次質問をしたいと思います。
まず、水環境の取り組みについて伺います。
昨年末、水環境ビジョン懇談会が出した報告書によりますと、失われた人と水との関係の回復についてその必要性を提言しておりました。これ以前に環境部では二年前に石川県環境白書の五年度版でその重要性を問題提起されております。参考にしながら質問をしたいと思います。
すなわち、水と人とは今日まで密接につながり、つき合ってきましたが、水は自然界の大きな仕組みの中でさまざまに形態を変えながら循環し、その過程で人類はこの水を環境を巧みに利用して文明社会をつくり上げ、曲がりなりにも自然をコントロールしてきたのであります。しかし、これまで私たちは水環境のさまざまな恵みを享受してきましたが、人間社会の生産活動が巨大化した近年、取り巻く自然環境を大幅に変えてしまう事態が生じたのであります。無原則な開発や有害物質の排出、放出が水環境を大きく変え、あらゆる生物に多大な影響を及ばすようになってきました。そして、私たちの生活や活動が利便性や経済に重点が置かれることによって水環境そのものの文化的な価値や精神的な価値が忘れ去られてきました。そのことは、身近な水路では汚染が進み、子供が水遊びする小川には「川にごみを捨てるな」に並び、「よい子はここで遊ばない」という看板が立ち、柵やコンクリート護岸のために水辺に近づくことができないようになっております。かつて存在した人と水との密接で、かつ多面的なかかわりが失われると同時に、身の回りに存在する水路や河川、わき水などの水環境を大切に保存していこうとする心も失われるような感じがいたします。このことからまず知事には、水環境についての感想を伺っておきたいと思います。
また、水環境にかかわるこれまでの取り組みは水質、水量、水辺の土地利用、自然保護などのおのおのの要素ごと、分野ごとにとらえられ、対応されてきました。その中でも水質汚濁が特に深刻な問題であるため、これまでややもすると水環境の保全イコール水質の保全としてとらえられ、それらの施策が展開されてきたといえます。環境部の施策を見ましても、このことを察することができますが、どうでしょうか。
そこで、行政としての水環境計画の策定について伺います。この計画については、県が昨年十月制定した環境基本条例とそれに基づく環境基本計画の策定が関連するわけであります。その作業も進められており、ことし夏ごろを目途に策定の方向と聞いておりますが、この中に水環境計画に関する項目を織り込むべきだと思いますが、どうでありましょうか。
また、この基本計画については新長期構想との整合性を図ることになっておりますが、長期計画の中での水環境の位置づけがこれからの果たすべき役割から考えて大切であります。いかがでしょうか。
総合的な見地から水環境に関する計画を策定した代表的な自治体として長野県、東京都などが挙げられております。それぞれ水環境保全目標を設定し、具体的で広範な施策を住民参加を促しながら推進するようになっております。このように先駆的な取り組みを参考に環境基本計画と連動しつつも、水環境計画については現在策定もしくは策定が検討されている生活排水対策推進計画を包括したものを独自のものとして策定すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
新年度は閉鎖性水域環境保全対策として合併処理浄化槽の整備に約三倍の助成を初め、生態系活用水質浄化対策などが盛り込まれておりますが、特にヨシなどの水生生物による水質浄化機能の調査、研究は野生生物の生息空間、ビオトープの創造という質の高い自然環境の取り組みにつながるものであり、引き続きその積極的姿勢を期待したいと思いますが、どうでありましょうか。
そうは言うものの、現状では環境部で水環境問題に対する総括的な対応ができているのでしょうか。例を挙げて失礼ですが、本来厚生部が主体になっている福祉政策──バリアフリー、福祉のまちづくりにしましても各部局にまたがっていたものを積極的な連携で交通整理されたわけであります。現在、土木部では国のウォーターフロントの整備による「うるおいとふれあいの親水空間づくり」が展開されておりますし、また農林水産部でもしかりであります。さらに、ほかの自治体でもトライされております環境整備のモデル住宅まちづくりなど、バリアフリー化とあわせて積極的な事業の取り組み姿勢が必要であります。しかし、現実としてソフト面は環境部、ハード面はそれぞれの部局という区分がされているような感じがいたします。各部局の水環境についての基本的視点はどうでありましょうか。今回の組織機構の改革で厚生部では保健・福祉施策の総合的な推進を図るための保健推進室を設置されることになっておりますが、この水環境問題でさらに連携した取り組みとなるよう組織体制についてどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。
次に、手取川扇状地帯の地下水の状況について伺います。
良好な地下水を安定的に事業所などに供給することが重要との観点から、平成五年に手取川扇状地域地下水調査検討委員会を設置し、検討を行ってきておりますが、これまでの検討では手取川扇状地全体の涵養量と揚水量はどれだけでしょうか。
また、企業の進出が目覚ましいこの地域にあって地下水利用は増大をしておりますが、将来の地下水需要に対し、地下水が不足することにならないのでしょうか。
さらに、それぞれの市町村の揚水計画はどのようになっているのでしょうか。
加えて、手取川扇状地域の適正な地下水利用を進める上で、条例や要綱などにより井戸の届け出や揚水量の報告を義務づける考えはないのでしょうか、伺うものであります。
加えて、水と関係の深い緑についてであります。建設省は一昨年七月に、緑の政策大綱──緑サンサン・グリーンプランを発表し、道路、河川、斜面地には美しく豊かな緑が創出され、緑豊かな道路を利用して、おおむね五分以内に公園に到着でき、河川の水辺空間に親しむことができる。また、昆虫などの小動物の生息環境が確保され、公共施設の緑と一体となり、国民が絶えず身近な自然と触れ合いながら生活できる。このような生活環境の実現を二十一世紀初頭までに目指すと基本目標で明らかにされております。そしてそのために、道路、河川、公園などの緑の公的空間を三倍にする。所管の公共施設などの高木本数を三倍にする。市街地における緑地の占める割合を三割以上確保する。そのようなことを目標にしております。
また、このための施策の総合的展開を緑の基本計画として住民生活に最も近い市町村が策定することになっております。市町村にとってはまさに福祉であれ環境であれ、さまざまな分野で課題が多いわけでありますが、国はかつて通達した緑のマスタープラン及び都市緑化推進計画の両者を総合した内容と言われておりますが、緑の公的空間、高木本数、緑地の割合について現状での石川県のそれぞれの数値はどのようになっているんでしょうか。また、全国におけるレベルについてどうなっているのか、明らかにしていただきたいと思います。
そして、緑サンサン・グリーンプランについての県としての役割はどのようになっているのか。さらに、市町村の緑の基本計画についてどのように把握しているのか、あわせて伺います。
そして、金沢城跡公園を主会場とする全国都市緑化フェアの早期開催を国に働きかけておられましたが、きのうの中央陳情でどのような感触を得られたのか、あわせて明らかにしていただきたいと思います。
次に、新エネルギーについて伺います。
この質問に先立ち、昨年十二月、原発の安全性について不安が募る中で起きた高速増殖炉「もんじゅ」の事故に関係して質問いたします。つまり、我が国の原子力政策に対する決定的な社会的信用を喪失させるものでありました。核兵器の材料にもなるプルトニウムの生産炉として国内ばかりでなく世界から注目されておりましたが、原子力政策の中核として科学技術庁が所管する特殊法人動燃が起こした事故と、それに加え、姑息としか言えないビデオ隠し事件、事故隠ぺい工作でありました。そして、ことしに入り、日本の原子力政策に対する人々の認識に変化を示す事態が続いております。
新潟県巻町の出直し選挙では、原発の是非を問う住民投票積極派の新町長が誕生したのであります。また、福島県、新潟県、福井県の三県知事が橋本総理に対し、対話重視の原子力政策の進め方について提言し、「もんじゅ」事故の原因究明がなされない限り、今後の原発を議論する段階ではない」との共通見解を示し、このことは原発の新設、増設が凍結されたことを意味すると言われております。
昨年十二月議会での知事答弁は、「遺憾だ。事故の原因究明を尽くすべきだ」と言われておりましたが、地方分権が推進されつつある中で、文字どおり県民の不安に対し、原発と真正面から真剣に考えてきつつある三県知事の姿勢について、考えてみれば当たり前のように見えますが、同時に新鮮な姿勢にも受けとめられます。石川県も志賀原発の増設、珠洲原発建設問題を抱えているのであります。「もんじゅ」とは技術的に異なると言われますが、谷本知事は住民合意を尊重するとの慎重な姿勢から見まして、今回のこのような動きについて凍結に同調すべきだと思いますが、どのような考えでありますか、改めて伺っておきたいと思います。
従来から学校では保健体育等の授業を中心に発達段階に応じて飲酒が健康に与えるさまざまな影響や法を守ることについて指導を行っております。また、祭礼等もございますので、主催者に対しては生徒が飲酒することのないようお願いしておるところでございます。
このほか、自動販売機が設置されているなど、生徒が酒類を手に入れやすい環境にもあります。これまでPTAの皆さんに大変お世話になっておりますけれども、今後またPTAなど地域あるいは家庭と一体となった飲酒防止に取り組んでまいりたいと思います。
─────・──・─────
△休憩
○議長(河口健吾君) 暫時休憩いたします。
午後二時五十五分休憩
─────・──・─────
午後三時十七分再開
出席議員(四十五名)
一 番 下 沢 佳 充
二 番 藤 井 義 弘
三 番 杉 本 栄 蔵
四 番 木 本 利 夫
五 番 紐 野 義 昭
六 番 石 坂 修 一
七 番 北 野 進
八 番 八 十 出 泰 成
九 番 北 村 繁 盛
十 番 山 田 憲 昭
十一 番 山 田 省 悟
十二 番 小 倉 宏 眷
十三 番 米 田 義 三
十四 番 石 田 忠 夫
十五 番 吉 田 歳 嗣
十六 番 向 出 勉
十七 番 吉 崎 吉 規
十八 番 稲 本 孝 志
十九 番 宮 下 登 詩 子
二十 番 岡 部 雅 夫
二十一番 石 林 爾 郎
二十二番 和 田 内 幸 三
二十三番 庄 源 一
二十四番 善 田 晋 作
二十五番 上 田 幸 雄
二十六番 稲 村 建 男
二十八番 角 光 雄
二十九番 一 川 保 夫
三十 番 宇 野 邦 夫
三十一番 桑 原 豊
三十二番 櫻 井 廣 明
三十三番 菊 知 龍 雄
三十四番 長 井 賢 誓
三十五番 川 上 賢 二
三十六番 北 村 茂 男
三十七番 大 幸 甚
三十八番 福 村 章
四十 番 宮 下 正 一
四十一番 米 沢 外 秋
四十二番 米 沢 利 久
四十三番 金 原 博
四十四番 池 田 健
四十五番 宮 地 義 雄
四十六番 矢 田 富 郎
四十七番 河 口 健 吾
欠席議員(二名)
二十七番 長 憲 二
三十九番 中 川 石 雄
──────────────
△再開
○議長(河口健吾君) これより会議を開きます。
─────・──・─────
△質疑・質問(続)
○議長(河口健吾君) 休憩前の議事を続けます。北野進君。
〔北野進君登壇、拍手〕
◆(北野進君) ことし初めての質問ですので、まずは原発問題から伺いたいと思います。久々に多めの時間を割き、数点にわたり質問をさせていただきたいと思います。
平成八年度は、昨年暮れに起きた高速増殖炉「もんじゅ」の事故の影響で、国のエネルギー政策、原子力計画の大幅な見直しが迫られる年となることが予想されます。また、北陸電力のスケジュールでは、志賀原発二号機建設に向けた第一次公開ヒアリング、そして電調審上程が予定される年でもあります。そしてまた、珠洲原発の計画にピリオドを打つ年にぜひともしたいと思います。
原子力開発をめぐり、県内外に大きな動きが予想される年に当たり、まず国民の合意形成と住民合意の関係について、知事の基本的な認識を伺いたいと思います。
一月二十三日、原発先進県、集中県である福井、新潟、福島三県の知事が内閣総理大臣あてに今後の原子力政策の進め方についての提言を提出しました。これまで国策である原子力政策に先頭に立って協力してきた地方からの反乱でした。そこでは、核燃料リサイクルの今後のあり方など、今後の原子力政策の基本的な方向について、国の責任で国民の合意形成を図ることとしています。先般の桑原議員の代表質問に対する知事答弁では、「もんじゅ」に限定しての合意形成の申し入れとして受けとめておられるようにも聞こえましたが、決してそういう狭く限定したものではありません。
もし、高速増殖炉計画が見直されれば、その燃料であるプルトニウムをどうするという国際問題に直面します。余剰プルトニウムを持たないことは、日本の国際公約だからです。プルトニウムの生産をとめるには、使用済み燃料の再処理をやめなければいけません。再処理ができなければ、志賀原発などの使用済み燃料は行き先がなくなります。志賀原発の使用済み燃料プールは約八年分の燃料を貯蔵可能です。九二年十一月二十日の初臨界に達した志賀原発は、二〇〇〇年ごろにプールがいっぱいとなるわけです。再処理ができなくなれば、保管方法が大問題となりますが、その責任の所在さえわかりません。住専処理問題同様、責任のなすり合いが目に浮かぶようです。「もんじゅ」の問題は、まさに現在稼働中の原発の問題でもあります。三県知事が国民合意を求め、原子力長期計画の見直しにまで言及した意味は非常に大きいと言わざるを得ません。
志賀二号機の立地手続以前に、一号機の運転継続の是非が問われています。国民の合意形成を図る国の取り組みを抜きに、県の原発行政はあり得ないと思いますが、いかがでしょうか。
職員採用試験の国籍条項撤廃は地方で決められる問題にもかかわらず、国政レベルの議論を待つと述べられました。その一方で、国政レベル、国民レベルでの原子力政策についての合意形成が求められているときに、志賀原発二号機の立地手続を進めるのでしょうか。それぞれ逆の対応のように思えてなりません。
次に、志賀原発の合意形成に関してお聞きします。現在の原発の立地手続は、安全審査も含め電力会社と国の間で進められていきます。知事は、電調審上程という立地手続の初期段階での同意で、直接的なかかわりは終わりとなります。したがって、国のチェック機能が十分に働いていないと電力会社はブレーキのない車のような状態となります。立地の是非については国が国策として推進していますから、あとは安全審査を厳格に行っているかどうかという問題になります。
先般、原発耐震安全性説明会が開催され、資源エネルギー庁、科学技術庁、原子力施設耐震安全検討委員会委員の方々が来県されました。県環境部は、説明会開催に向け大変な努力をされ、改めて敬意を表したいと思います。説明会の開催については、私も昨年の六月議会、十二月議会と求めてきており、その準備状況については私なりに関心を持って見守ってきました。
そこでまずわかったのは、とにかく国の役人や専門家を呼ぶことがいかに大変かということです。県外の専門家を質問者に入れてはだめ、専門家を補佐人としてつけるのもだめ、再質問は一回だけ、会場からの質問は受け付けないなどなど、すべての条件をのまなければ来ないのですから、だだっ子を東京から連れてくるようなものです。環境部がどれだけ県民の疑問、不安にこたえようとしても、これではスタートから限界があります。
さらに当日の説明は、正しいかどうかの議論以前に、まず不まじめ、不誠実。県民からの質問に対する回答は結論を押しつけるだけで、聞きたい理由は不明のままでした。ああいう人たちが原発の安全審査を行い、妥当との結論を出しているかと思うと、率直に言って背筋が寒くなります。説明会を一言で言うなら、原発の安全性について一層不安が募ったということであり、もう一言言うなら、国を信用していたら危ないぞということです。
一例だけ申し上げますと、昨年六月、この議場でも指摘しましたが、志賀原発沖合に約百年前に連続して発生した二つの地震があります。一つは、志賀原発の原子炉設置許可申請書の中でも取り上げられ、検討されていますが、もう一つの地震は全く触れられていません。検討の対象外ということです。もし、その二つの地震の震源をつなぐ活断層があるとすれば、志賀原発の設置許可はおりない可能性があるという重要な地震であるにもかかわらずです。志賀原発の目の前を震源とする地震が、なぜ安全審査で考慮されないのか。素人の素朴な疑問です。これに対し回答は、考慮する必要はないの一点張りで、その理由はありませんでした。
本当は検討しているのではないでしょうか。真剣に検討し、安全審査で考慮すれば原発はできなくなるから、資料を隠したのではないか、そんな疑惑が県民の間から指摘されています。そんなことはないと信じたいわけですが、これで地震による事故が起こり、被害が出れば、あの薬害エイズの問題と全く同じ構造となります。
蛇足ですが、この説明会については先日国会でも取り上げられ、そこでの国側の答弁は、「十分に大部分の質問に御説明できた。再度地元で開く必要は現時点では特にないと考えている」とのことでした。
次に、電力会社の方はどうでしょうか。動燃については、改めて説明するまでもないでしょう。先月二十三日、東京電力柏崎刈羽原発六号機で、再循環ポンプが故障しました。志賀原発二号機に導入が予定されているABWRという世界初の型です。原因については調査中であり、詳しいことはわかりませんが、一つだけわかっていることは、ここでも東京電力に事故隠しの動きがあったということです。秘密主義の体質は変わりません。事故があると、よく炉型が違うから大丈夫という説明を聞きますが、動燃、科技庁、東電、そして北陸電力の体質は果たして違うのか、そこが問題になってくるように思います。
以上、長くなりましたが、要するに国と電力会社による立地手続では、県民の安全は守れないということを強く訴えたいと思います。原発には絶対反対の私ですが、地域振興に有効な一つの手段とする知事の思いを、私なりに最大限に尊重しつつ、以下提言も含め質問をさせていただきたいと思います。
地域振興と安全性の問題は質的に違うものであり、バラ色の振興策が描けるから安全性には少々目をつむるというような、てんびんにかける問題ではありません。知事が地域振興につながると考えられるのは結構ですが、そういう姿勢で国や電力会社に対応していては、表現は悪いかもしれませんが、今回の説明会のように、あるいは昨年暮れの北電の説明会のように、県民はなめられるだけです。
安全性について理解を得るよう努めるのはだれなのか、その責任を明確にしておくことが重要です。プルトニウム利用や高レベル放射性廃棄物、使用済み燃料の貯蔵・保管にかかわる問題も含め、全体の原子力政策は国の責任、個別の発電所の安全対策については電力会社の責任でしょう。志賀原発については、国、電力会社の責任で安全性の確立と県民の安心を基準とした合意形成を求めるべきであり、国や電力会社が出てこないのならば立地は問題外と明確に県の立場を示すべきです。なぜ県職員が頭を下げてまで国の役人、専門家に来てもらわなければならないのでしょうか。しかもあの答弁です。国に対して全く屈辱的な立場はどこかで断ち切らなければだめだ、そんな思いを強くしました。
県は、あくまで県民の立場に立ち、国や電力会社をチェックする立場に立つべきではないでしょうか。チェックのやり方については、国の指導、助言を仰ぐのではなく、福井県など自治体間の連携と協力、さらに住民の意見も踏まえて行うべきと考えますが、知事、いかがでしょうか。動燃のうそを暴いた福井県の対応が、今後の自治体の原子力行政のあり方を象徴しているように思います。
さて、志賀原発二号機については、八年度中に電調審に上程される予定と聞きますが、国レベルの議論を待つべきではないでしょうか。電調審上程のおくれによって県、自治体及び北陸電力に何か問題が生じることがあるのでしょうか。北陸電力管内の電力需給は十分余裕があるはず。地元自治体が既に二号機前提の財政計画を組んででもいるのでしょうか。平成十一年着工、十七年運転開始のスケジュールをごり押ししなければならない事情があるのか、明らかにしていただきたいと思います。
もう一点、住民の安全と安心の確保という意味で、地震時の原子力防災対策についてお聞きします。基本的には、中央防災会議、原子力安全委員会の対応を見守るとのことですが、特に阪神大震災を受けて県は、近隣自治体と災害応援協定を結ばれました。これ自体は評価するものですが、一つ疑問があります。広域的な救援活動、避難行動が想定されている一方で、地震時の原発事故が想定されていません。これについては、原発がなく原子力防災計画を策定していない県もあるので、原発事故を想定していないのはやむを得なかったとしても、実際に原発立地県を大地震が襲った場合、計画がないでは済まされない現実に直面することとなります。
そこで伺いますが、情報通信網は確保されるのでしょうか。避難経路をどのように確保し、住民に指示するのでしょうか。避難先のスクリーニング体制や医療体制を整備する必要があるのではないでしょうか。放射線被曝のおそれのある地域での職員の応援活動も想定されますが、対応は可能でしょうか。
原発問題に関連してあと一点、去る二月二十五日、志賀原発周辺の住民を中心に広域自主避難訓練が実施されました。周辺住民約四百人が金沢市と輪島市へ避難するという大規模な訓練であり、支援要員や連絡訓練参加者も含めると千人近い参加者でした。特に今回は、道路事情が悪く、放射性物質が堆積しやすい冬場の原発事故にどう備えるかという問題を検証する訓練でした。冬場の広域的な避難訓練というのは、これまでも住民から要望がありながら、行政サイドでは実施できていない訓練です。昨年の阪神大震災やもんじゅの事故などもあり、住民の間には不安は高まっています。冬場の訓練、広域的な訓練の必要性についてどのように認識されておられるのか。また、今後の訓練の実施予定についても伺っておきたいと思います。
次に、情報化について伺います。
今回の予算案には、インターネット情報提供システム構築事業費として、インターネットのサーバの設置、ホームページ開設の予算が盛り込まれています。ことしじゅうには全都道府県でホームページが開設されるようです。ホームページの開設も、当初の自治体のイメージアップから発信する情報の内容、活用の仕方が問われてきているように思います。
沖縄県のホームページは基地問題、広島市、長崎市は原爆の悲惨さや核実験の問題をまさに世界に発信しています。また東京都は、毎日行政情報を追加し、情報量とその鮮度はほかの自治体を大きく引き離しているように思います。また札幌市は、市内主要事業を掲載し、市が三年後あるいは五年後、どのような姿になっていくのか、あるいはどの事業に幾らつぎ込んでいるのか、わかりやすくつくられています。また岡山県は各課にホームページを開設し、積極的に行政情報を提供していく方針とのこと。改めて本県のサーバの設置、ホームページ開設の目的について伺うとともに、昨年からほっと石川観光情報や水産課のホームページで全国豊かな海づくり大会の紹介などを行ってきたわけですが、これらの反響もあわせて伺いたいと思います。
四月からは、行政情報サービスセンターが設置され、今後広報活動が一段と充実していくものと思いますが、これまでのマスコミや広報誌による広報活動と比較し、即時性がパソコン通信やインターネットによる情報発信の特徴だと思います。したがって、特定の担当部署からの情報発信として一元化していくよりも、各部局単位あるいは各課単位で独自に行政情報を発信し、担当部署がネットワークの中で一元化を図っていく方が情報を発信しやすく、県民からの声も聞きやすいのではないでしょうか。また、大分県の平松知事のように、知事自身のホームページを設けられたらいかがでしょうか。
パソコン通信の利用やオピニオンリーダーの提言、市町村ごとの懇談会など、広聴活動の充実も図られており、大変結構なことだとは思いますが、言いっ放し、聞きっ放しではせっかくの制度も生きてきません。東京都は、寄せられた意見や提言の件数はもちろんのこと、その主な内容やそれに対する対応も含め公表し、インターネット上でも公開しています。例えば、先般の新宿でのホームレスの人たちを排除した都の対応に抗議の声がパリ市からも寄せられているわけですが、こうした意見までも見ることができるわけです。本県でもこうした対応ができないものか、知事の所見を伺っておきたいと思います。
さて、広報、広聴活動は充実していくようですが、情報公開制度の運用はどうでしょうか。私が聞き及ぶ範囲でも、こんな情報まで非公開なのかと思うこともありますし、請求された資料が存在せず、新たな資料を作成する必要性が明らかになったこともあるように思います。間もなく施行から一年、これまでの利用状況、条例制定の効果、今後の改善点などお聞かせいただきたいと思います。
先日、ある新聞で「おじさんのパソコン難民急増中」という記事がありました。急激な情報化の渦の中、改めて求められるのが変わらないものに接する安心感、例えば古代史へのロマン、あるいは農村風景への郷愁ではないでしょうか。一九八二年、八三年の発掘調査以来、十三年の沈黙を破り、いよいよ来年度から真脇遺跡の史跡公有化事業がスタートします。全国屈指の重要遺跡との評価が定着した縄文の宝庫が再び開くのか、地元の期待も高まっているわけですが、真脇遺跡にエールを送るかのように、昨年秋には田鶴浜町の三引遺跡から縄文時代前期初頭の大規模な土器群が出土しました。縄文人は三引遺跡から真脇遺跡に移っていったものと見られているようです。さらにことしに入り、同じく田鶴浜町の大津くろだの森遺跡から定住期間三千五百年という真脇遺跡の四千年に次ぐ全国二番目の大型集落跡が発掘されました。あの青森県の三内丸山遺跡が千五百年の定住期間ですから、それだけでも能登に存在する遺跡の今後の発掘調査に熱い視線が寄せられます。
生産力の低い時代に、一カ所に数千年も定住できたということ、大量の出土品から広域的な壮大な交流を物語る一方で、武器が存在しないこと、巨大な彫刻柱や土偶、仮面、多種多様な装身具が出土していることなどから、真脇遺跡が現代社会に吹き込むロマンを私なりに言えば、自然との共生、平和主義による交流、心の豊かさと平等社会といったものではないかと感じています。まさに地球環境の危機に直面した現代人が求める文明原理ではないでしょうか。能登風土記の郷整備構想など、史跡の保護管理と活用が能登でも進められているわけですが、縄文の時代までさかのぼって振り返ることにより、各史跡の魅力もまた増すのではないでしょうか。
さて、残念なのは田鶴浜町の両遺跡は、いずれも能越自動車道の建設予定地であり、発掘された部分は当然ながら埋め戻され、破壊されてしまう箇所もあるということです。せめて一級品の真脇遺跡との比較や関連性の中で出土品の活用を図り、残された地中の遺跡に古代へのロマンをつないでいくことはできないのでしょうか。また、能登をかつての縄文人定住の地として、これから一連の遺跡を活用し、観光振興の面も含め全国にアピールしていくことも検討すべきでないかと思いますが、いかがでしょうか。
次に、美しい農村風景を守る中山間地対策について伺います。
県土の七割、農家数の五割、耕地面積の四割、人口の二割が該当すると言われている中山間地域ですが、その該当地域は過疎地であり、半島地域であり、山村地域でもあります。つまり、中山間地対策は農業振興策にとどまらず、過疎対策であり、半島振興対策でもあります。したがって、四月から中山間地対策推進総室が設けられるわけですが、定住条件を改善していくためには、福祉や医療、教育も重要な課題となり、農林水産部内の組織改正だけでは対応し切れない問題ではないかとも思います。庁内の横の連携についてどのように考えておられるのか、まず伺いたいと思います。
さて、中山間地域対策と一言で言っても、それぞれの地域が置かれている状況は千差万別であり、一つにくくることには無理があることは言うまでもありません。交流か定住かという議論があります。ニワトリか卵かという議論のようなものかもしれませんが、交流事業に積極的に打って出るべき集落もあれば、定住環境の整備にじっくり取り組むべき集落もあります。圃場整備や農村集落排水の導入、集会所の建設にしても、それらを必要としている集落や農家がある一方で、負担金が重荷となるケースもしばしばあります。事業を獲得するだけでは、必ずしも地域のためにプラスになるとは言えません。
小さな例ですが、長野県の八ケ岳山ろくに長谷村という小さな、山林が大半を占める村があります。この村が昨年から間伐材の利用促進のため、まきストーブの購入・設置費の四割を補助する制度をつくりました。実は私の知人の間でも、二、三年前からまきストーブが静かなブームとなっています。ある方がこのようなことを言っていました。「まきストーブは二つのものを温めてくれるんですよ。一つはもちろん体です。芯から温まります。もう一つ、心も温めてくれる」と言います。どういう意味か最初はわからなかったのですが、それまでは夕食後、それぞれの部屋にこもっていた家族が、みんなストーブの周りから離れず、自然と会話がふえたということ、昼は昼で近所の人が暖をとりにしょっちゅう集まり、たまり場になったとのこと。なるほど納得です。まき割りで体も使い、暖房費はもちろん大幅節約になります。これは、ほんの一例ですが、現金支出を減らして豊かになる。中山間地域ならではのこのような事業にも発想を変えて注目していいように思いますが、いかがでしょうか。
十一 番 山 田 省 悟
十二 番 小 倉 宏 眷
十三 番 米 田 義 三
十四 番 石 田 忠 夫
十五 番 吉 田 歳 嗣
十六 番 向 出 勉
十七 番 吉 崎 吉 規
十八 番 稲 本 孝 志
十九 番 宮 下 登 詩 子
二十 番 岡 部 雅 夫
二十一番 石 林 爾 郎
二十二番 和 田 内 幸 三
二十三番 庄 源 一
二十四番 善 田 晋 作
二十五番 上 田 幸 雄
二十六番 稲 村 建 男
二十八番 角 光 雄
二十九番 一 川 保 夫
三十 番 宇 野 邦 夫
三十一番 桑 原 豊
三十二番 櫻 井 廣 明
三十三番 菊 知 龍 雄
三十四番 長 井 賢 誓
三十五番 川 上 賢 二
三十六番 北 村 茂 男
三十七番 大 幸 甚
三十八番 福 村 章
四十 番 宮 下 正 一
四十一番 米 沢 外 秋
四十二番 米 沢 利 久
四十三番 金 原 博
四十四番 池 田 健
四十五番 宮 地 義 雄
四十六番 矢 田 富 郎
四十七番 河 口 健 吾
欠席議員(二名)
二十七番 長 憲 二
三十九番 中 川 石 雄
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△再開
○議長(河口健吾君) これより会議を開きます。
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△採決
○議長(河口健吾君) 知事提出議案第一号を議題といたします。
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△委員長報告(省略)
○議長(河口健吾君) 本案については、総務企画委員会委員長及び土木企業委員会委員長から原案のとおり可決した旨文書をもって報告がありました。
お諮りいたします。この際、委員会審査の経過及び結果にかかわる口頭報告は省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う者あり〕
○議長(河口健吾君) 御異議なしと認めます。よって、委員長の口頭報告は省略いたします。
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△質疑、討論
○議長(河口健吾君) 別に御発言もありませんので、質疑、討論なしと認めます。
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△知事提出議案採決
○議長(河口健吾君) これより、知事提出議案第一号を採決いたします。本案を委員長報告のとおり可決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と言う者あり〕
○議長(河口健吾君) 御異議なしと認めます。よって、本案は、委員長報告のとおり可決されました。
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△休会
○議長(河口健吾君) 次に、休会の件についてお諮りいたします。
委員会審査等のため三月八日から十三日までの六日間は休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と言う者あり〕
○議長(河口健吾君) 御異議なしと認めます。よって、以上のとおり休会することに決しました。
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△閉議
○議長(河口健吾君) これをもって本日の議事は終了いたしました。
次会は、三月十四日午後一時より会議を開きます。
これにて散会いたします。
午後四時四十二分散会
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